u393のサガン鳥栖な毎日

サガン鳥栖サポーター。サガン鳥栖、Jリーグ、サッカー。色んなことぼちぼちと綴ります。

ヴァンフォーレ甲府戦 戦評

昨日、午後1時30分より、山梨中銀スタジアムサガン鳥栖vsヴァンフォーレ甲府の試合が行われた。今節が2016シーズンの最終節となり、試合開始前の時点で甲府にはJ2降格の可能性が残っていた。結果は豊田のゴールで1-0で鳥栖の勝利。鳥栖に敗れた甲府残留を争う名古屋も敗れたことによりJ2降格からは何とか免れた。そんな今節の試合を振り返る。

まずはメンバーから。サガン鳥栖ゴールキーパーに林、最終ラインは右から吉田、ミンヒョク、谷口、三丸、中盤はアンカーにヨシキ、右にミヌ、左に福田、トップ下に鎌田、前線は豊田と早坂の組み合わせとなった。最終ラインの左サイドに三丸が入り吉田は右サイドで起用、前線は2試合連続ゴール中の富山に代えて早坂が入った。一方の甲府ゴールキーパーに河田、最終ラインは右から土屋、山本、津田の3バック、中盤は黒木と新井、右に松橋、左に橋爪、シャドーの位置に田中と稲垣が入り、1トップはダヴィ。ドゥドゥは怪我の影響でベンチスタートとなった。

決勝点のシーンを振り返る。鳥栖の左サイド三丸が左足でクロスを送る。ボールは甲府キーパーの河田にキャッチされるかに思われたが、河田が処理を誤る。ボールがこぼれたところ、豊田がしっかりと流し込んだ。豊田は今シーズン13点目。5年連続15ゴール以上という記録にはあと一歩届かなかったが、豊田の大半のゴールをアシストしていた藤田、水沼が移籍し、尚且つ監督がフィッカデンティに代わり要求されることが増えた中での13ゴールは流石ストライカーだと感じさせる。2ndステージこそ目指すサッカーが少しずつ形になり一時は上位に食い込むことができたが、1stステージは極度のゴール欠乏症によりチームが低迷していたことを考えるとエースの存在は大きい。また、今シーズンは豊田が自分のゴール以外にも絡む場面が増え、富山、鎌田、ミヌ等のゴール数にも繋がった。複数の選手が得点するようなサッカーをできるようになったことは来シーズンに繋がる大きな成長といえる。

試合内容自体はスタッツが物語るように鳥栖はシュート8、甲府はシュート2と鳥栖が優位に試合を運んだ。ただ、甲府も残り15分まではスコアレスという理想の流れではあったし、後半途中からドゥドゥを投入してカウンターから鳥栖ゴールに迫る場面もあった。甲府残留という目の前の目標に必死だったのは言うまでもなく、ベンチは他会場の結果も耳に入っていた上での0-0もしくはノーリスクでゴールを狙うかたちを取ったはず。それ故に、試合自体はあまり面白いものではなかったかもしれないが、そのような難しい相手に勝てたことは評価できるし、今シーズンの残りの天皇杯に繋がるだろう。今のチームで1日でも長くサッカーができるようにサポーターは12日のサンフレッチェ広島戦は声を枯らして応援したい。そして、ミヌを笑顔で送り出そう。

ヴァンフォーレ甲府戦 プレビュー

明日、午後1時30分より山梨中銀スタジアムサガン鳥栖vsヴァンフォーレ甲府の試合が行われる。2016シーズンのリーグ戦も今節が最終節、ヴァンフォーレ甲府としては残留争いの渦中におり、この試合の結果で全てが決まる相手との戦いはサガン鳥栖としては難しいものになるだろう。サガン鳥栖は前節、横浜F・マリノスにミヌと富山のゴールで2-0とリードしながら後半に追い付かれ2-2のドロー。結果は出なかったが内容は決して悪くなかった。最終節ということもあり、何も変える必要はなく、1年間の集大成を内容と結果で示したい。

ヴァンフォーレ甲府は前節、降格が決まっている湘南ベルマーレに0-1で敗れた。残留を争うライバルが揃って敗れた為、絶対絶命という事にはならず、自力で残留を決められる立場にある為そこまで重い雰囲気にならず、試合に臨めるのではないだろうか。ただ、勝ち点差はわずかに1、尚且つ残留争いをしている他のチームに比べ、得失点差−25と10点ほど不利な状況である事を考えるとしっかりと勝ち切ることが必須と言える。激しく熱い戦いが期待できる。

まずは両チームのメンバーを予想する。サガン鳥栖ゴールキーパーに林、最終ラインは右から谷口、ミンヒョク、青木、吉田、中盤はアンカーにヨシキ、右にミヌ、左に福田、トップ下に鎌田、前線は豊田と富山の組み合わせを予想。右サイドバックは前節に続き、負傷の藤田に変わり谷口が入ると思われるが、甲府のシステム3-4-3は鳥栖が苦手なシステムであり両サイドでの主導権が非常に重要になる為、中盤のサポートを含め両サイドバックのプレー、本職ではない谷口のプレーはこの試合の1つのキーになるといってもいいだろう。前線は複数得点が続いており、今節も豊田、富山、鎌田のトライアングルには期待したい。

続いてヴァンフォーレ甲府のメンバー。ゴールキーパーは河田、最終ラインは右から土屋、山本、津田の3バック、中盤は黒木と新井のダブルボランチ、右ワイドに松橋、左ワイドに橋爪、前線は田中と稲垣の2シャドー、ワントップにダヴィが入ると予想する。ドゥドゥが負傷の影響でフル出場が難しいとの情報があり、ベンチスタートが考えられる。前節の戦いを見ても、守備の我慢強さはあるが得点力が乏しく、リーグ戦での複数得点を見ると8月27日の大宮アルディージャとの一戦まで振り返ることになる。そうなると、勝ちを狙いにいく今回の試合は攻撃と守備のバランスが崩れやすくなる可能性も考えられる。甲府としての理想のパターンは前半は無失点を念頭に置き、攻撃はノーリスクの場面のみ、そして後半にドゥドゥを始め攻撃の駒を投入し、ゴールを奪い、1-0での勝利という流れ。鳥栖としては相手に合わせてしまうのではなく、自分たちのやりたいことにスポットを当ててプレーしたい。先制点を奪えば、相手のバランスは間違いなく崩れやすくなり、その隙をしっかりと突いていく展開に持ち込めると楽に試合を運べるだろう。最終節、鳥栖甲府もリーグ戦1/34以上の意味を持って試合に臨むはず。ただ、33/34の経験をしっかりと活かしたほうに結果は出るかもしれない。最高の試合を期待する。

横浜F・マリノス戦 戦評

遅くなりましたが、10月29日に行われたサガン鳥栖vs横浜F・マリノスの試合を振り返ります。ホーム最終戦ということもあり現地観戦したかったのですが、仕事がありリアルタイムでの観戦もできませんでした。その為、じっくりと試合を見れていないので試合の細かい部分は割愛させていただきます。

まずはメンバーから。サガン鳥栖ゴールキーパーに林、最終ラインは右から谷口、ミンヒョク、青木、吉田、中盤はアンカーにヨシキ、右にミヌ、左に福田、トップ下に鎌田、前線は豊田と富山。藤田の負傷の影響で前節の途中から引き続き谷口が右サイドにスライドしセンターに青木が入る形の最終ラインとなった。

横浜F・マリノスゴールキーパーに榎本、最終ラインは右から小林、中澤、パク・ジョンス、金井、中盤は兵藤と喜田のダブルボランチ、右に前田、左に斎藤、トップ下に天野、最前線は富樫。喜田、前田、天野、富樫と若い選手が多く、斎藤を含め波に乗らせたら怖い存在が多い印象。

ゴールシーンを振り返る。先制はサガン鳥栖。ミヌがドリブルでペナルティエリア右に侵入、切り返しから左足を振り抜くと豊田につられた相手ゴールキーパーの逆を突く形となり、ボールはゴールに吸い込まれた。今シーズン限りでの退団が発表されているミヌのゴール、ホーム最終戦でこのようにゴールを決めることができることはべアスタのピッチにさえも愛されているように感じた。鳥栖の追加点は後半、左サイドを鎌田がドリブルで持ち上がり、中央の富山にパス。富山のペナルティエリア外からミドルシュートはゴールに突き刺さった。富山は前節柏戦に続いてのゴール。シーズンの前半こそ、チームにはフィットしている印象はあったがゴールだけが遠かった。ただ、終盤になりゴールを積み重ね、これで今シーズン5得点目、来シーズンの更なる成長を期待させる。マリノスの反撃はここから。左サイドから兵藤の右足からのクロスを中澤がヘディングで叩き込んだ。また、斎藤がペナルティアーク付近の富樫とワンツー。リターンをもらった斎藤はペナルティエリア内を切り裂き、全てのディフェンスを剥がし、冷静にゴール。中澤、斎藤とマリノスの中心である2人、鳥栖としては注意すべきだと分かっていてもやられてしまったことは鳥栖は来シーズンの課題、リードした展開からの戦い方は考えていくべきかもしれない。だが、最近の得点シーンを振り返るとパターンも豊富で守備から攻撃に移る時間がシーズン序盤に比べて劇的に早くなったと感じる。その分、守備への負担もかかってくるが、常に守備>攻撃の比重ではなく、その試合の展開に合わせて守備>攻撃、攻撃>守備を使い分けることができるようになれば、より高いレベルでの戦いができるようになるだろう。

リーグ戦は残り1試合、残留を争うヴァンフォーレ甲府との試合。アウェイの地で難しい戦いとなることが予想されるが、今シーズンの締めくくりに相応しい試合で勝利したい。

横浜F・マリノス戦 プレビュー

明日、午後2時からベストアメニティスタジアムサガン鳥栖vs横浜F・マリノスの試合が行われる。サガン鳥栖は今節がリーグ戦ホーム最終戦、前節はアウェイで柏レイソルに3-2で勝利し、このままの流れをリーグ戦残り2試合維持し、勢いを持った状態で天皇杯に挑みたい。横浜F・マリノスは前節ホームでガンバ大阪と2-2のドロー、内容も評価できるものだったが2度のリードを守れなかった。ただ、絶対的エースが確立できてない中、攻撃の鋭さがあり、若手の勢いには注意したい。

まず、両チームのメンバーを予想する。サガン鳥栖のメンバーはゴールキーパーに林、最終ラインは右から谷口、ミンヒョク、青木、吉田、中盤はアンカーにヨシキ、右にミヌ、左に福田、トップ下に鎌田、前線は豊田と富山と予想。前節の柏戦で右サイドバックの藤田が負傷交代、その際も右サイドに谷口がスライドする形で残り時間も戦ったが、今節も引き続き谷口は右サイドでの起用が濃厚。縦への推進力やクロスなどサイドバックらしいプレーは中々難しいかもしれないが、マッチアップが考えられる斎藤学との1対1で対人の強さを発揮してほしい。斎藤への対応次第で鳥栖のペースは大きく左右されるだろう。横浜F・マリノスのメンバーはゴールキーパーに榎本、最終ラインは右から小林、中澤、パク・ジョンス、金井、中盤は天野と喜田のダブルボランチ、右にマルティノス、左に斎藤、トップ下に前田、最前線は富樫を予想する。攻撃に関しては若手が結果に絡んできているイメージがあり、ペースに乗られると止めるのは容易ではない。また、鳥栖は最終ラインを含めて守備時にサイドを広くスピード感のある攻撃への対応が上手くなく、今節は青木も加わる為、マリノスの2列目のスクランブルな攻撃は厄介。いつもより守備のコミュニケーションには注意を払う必要があるだろう。

サガン鳥栖は前節3得点を奪い、どのゴールも複数人がボールに絡んだ良い攻撃だった。守備こそ2失点をしてしまったが、アンラッキーな失点もあり、攻撃の質の向上をポジティブに捉えたい。豊田がサガン鳥栖の絶対的エースであることは間違いないが、富山、鎌田、そのほかの選手もゴールができていることは評価でき、これからのサガン鳥栖の進化を考えると絶対に必要なことだ。フィッカデンティのサッカーは相手のストロングポイントをしっかりと把握した上で相手ごとに戦術を変えるが、残りの試合はサガン鳥栖がこの1年間でどのようなチームになり、どのようなことができるようになったのか自信を確信に変える試合にしたい。100%の力を出し、ミヌを笑顔で送り出したい。天皇杯はあるが、観客は今節のほうが多いはず。多くのサポーターにサガン鳥栖のNo.10を目に焼き付けてほしい。私も現地で観戦したかったが、仕事の都合で行けない為、スタジアムに足を運ぶ方は私を含め現地に行けないサポーターの分まで応援してほしい。最高の瞬間、最高の結果が生まれることを期待する。

金民友

10月24日、鳥栖サポーターにとって迎えたくない日が訪れた。サガン鳥栖金民友の今シーズン限りでの退団を発表した。母国、韓国の徴兵制度に備え、Kリーグのチームに移籍するための退団となる。韓国では徴兵制度が設けられており、男性は30歳までに約2年間の兵役の義務がある。プロサッカー選手は軍などのチームに所属し義務を果たす事ができるが、27歳までの入隊及び前年のKリーグでのプレーも必要となり、26歳のミヌは今シーズンまでのプレーが限界だった。プロサッカー選手はオリンピックなど代表選手としての結果次第では兵役が免除される。実際にサガン鳥栖に所属しているもう一人の韓国籍選手、キム・ミンヒョクアジア大会を優勝したことで兵役が免除されている。ミヌにも同じようなチャンスはあった。2012年のロンドン五輪だ。日本がベスト4まで進み、その快進撃は記憶に残っている人も多いだろう。韓国はその日本と3位決定戦で対戦した。そこで韓国は日本に勝利し、銅メダルを獲得し、その功績を認められロンドン五輪のメンバーは兵役が免除された。ミヌは本大会までの予選を主力として長い期間プレーしていたが、本大会を前にオーバーエイジ枠に弾き出される形でメンバーから外れた。鳥栖サポーターとしてメンバー落選は心から悔しかったが、その悔しさは韓国銅メダルという結果によって更に大きいものとなった。ただ、ミヌは下を向かず、サガン鳥栖の為に全力を尽くし、その結果、2012年サガン鳥栖昇格元年はJ1で5位という輝かしい成績を残すことができた。ミヌは2010年にサガン鳥栖に加入し、今シーズン2016年まで背番号10を背負い7年在籍。加入初年度からチームに欠かせない選手となり、翌年サガン鳥栖初の昇格に貢献、今シーズンは苦しいチーム状況をキャプテンという立場で鼓舞し続けた。サガン鳥栖はミヌと共に成長しJ1という舞台で闘えるようになったといっても過言ではない。ミヌが入団する前、まだ加入が噂段階だった時にyoutubeで「kim min woo」というワードを検索して、こんなに凄い選手が鳥栖に来るのかと胸を踊らせていた事がつい最近の事のように思えるが、入団当初は日本語も話せずにチームみんなにマスコットのように可愛がられていた19歳がいつの間にかサガン鳥栖のキャプテンとしてチームを背負い、日本語で堂々と会見ができるようになったことは凄く感慨深く、鳥栖サポーターとしてはとても良い7年間を共にできたことに感謝しかない。ミヌも今回の会見で語ったように、思い出に残っている事は事実上の昇格を決めたアウェイ徳島戦のミヌの先制ゴール。色んなプレッシャーがある中、あの時冷静に叩き込んだゴールがなければ今のサガン鳥栖はないかもしれない。今回の決断もこれまでの7年間も色んなことに悩み、決断してきたと思う。だから、これから先もミヌは様々な事を自分の力に変えて成長してくれると思う。約2年間の兵役が終わった後、30歳になったミヌがどのようなキャリアを描き進んでいくか、まだ分からないけど、サガン鳥栖サポーターは金民友という素晴らしい選手を決して忘れる事はないし、いつまでもスタジアムで待ってる。残り、リーグ戦2試合、天皇杯が残っている。良い結果でミヌを笑顔で送り出そう。

柏レイソル戦 戦評

本日、午後2時より日立柏サッカー場サガン鳥栖vs柏レイソルの試合が行われた。結果は3-2でサガン鳥栖の勝利。鳥栖はリーグ戦で4試合振りの勝ち星を手にしたが、一方の柏は2ndステージ優勝の可能性が消滅した。今日の勝利及び内容はサガン鳥栖の今後に繋がるものだと感じた。まずはメンバーから振り返る。サガン鳥栖ゴールキーパーに林、最終ラインは右から藤田、谷口、ミンヒョク、吉田、中盤はアンカーにヨシキ、右に早坂、左に福田、トップ下は鎌田、前線は豊田と富山の組み合わせ、右サイドバックの藤田は古巣との対戦となる。また、ベンチにはユースの石川と田川が入った。柏レイソルのメンバーはゴールキーパーに中村、最終ラインは右から茨田、鎌田、中谷、輪湖、中盤はアンカーに秋野、その前に中川と小林、前線は右に伊藤、左にドゥドゥ、センターに田中が入った。クリスティアーノはベンチスタート、U19日本代表の影響でセンターバック中山が欠場し鎌田が、コンディション不良で欠場のディエゴ・オリヴェイラに代わり田中が起用され、代役の活躍が非常に大事となった。まずは得点シーンを振り返る。まずはサガン鳥栖の1点目。左サイドの福田が中央の鎌田にパス、鎌田はエリア内の豊田にパスを出し、再度リターンのパスを豊田にもらい、ダイレクトでシュート、ゴール右隅に決まった。2点目は林のゴールキックから、豊田、富山が頭で繋ぎ、早坂がディフェンスの裏に抜け出し、中央に入った富山にパス、富山のシュートはディフェンスの股を通り、ゴールに叩き込んだ。シンプルな攻撃ではあるが、フリックしてボールに関与した後、素早くゴール前に入る動きは例えゴールが生まれていなくても素晴らしい動き、こういう細かい動きを繰り返し行えることが富山の良さと言える。柏レイソルの1点目は右サイドでボールに対して混戦の状況で柏の選手の手に明らかにボールが当たったが、審判はハンドの判定をせず、一瞬プレーが止まる。田中がそのボールを奪い、遠い位置から左足を振り抜き、キーパー前でバウンドしたボールはゴールに吸い込まれた。故意に手を使った訳ではないが、手が体から離れていることを考えるとハンドを取るべきだと思われるシーンだった。ただ、鳥栖もプレーを止めてしまったことは反省点と言える。鳥栖の3点目は林のフィードを豊田がヘッドで逸らし、ペナルティエリア左のディフェンス裏で鎌田が反応、キーパーとの一対一をループで冷静に沈めた。2点目と同様に豊田の空中戦からゴールが決まった。今日の試合では豊田の空中戦勝率が高く、形が中々作れない場面でもシンプルにアバウトなボールを豊田が競り、マイボールにできていたことは試合を優位に進める要因となった。柏の2点目は終了間際、左サイドのクリスティアーノがサイドチェンジし、逆サイドのペナルティエリア内で柏の選手が上手く繋ぎ、収めたボールをペナルティアーク付近にポジションをとっていたクリスティアーノにパス、豪快なシュートがゴールネットに突き刺さったが、このまま試合終了となった。前半からサガン鳥栖バイタルエリアにスペースがあり、鳥栖もボールの奪われ方が悪く、ピンチを招くシーンもあったが、前線にディエゴ・オリヴェイラがいなかったことが功を奏した。スペースはあって、そのポジションにレイソルの選手が入ってきても、ボールが収まる部分がなく、中央で速さのある攻撃はあまり受けなかった。中央に起点がない分、右サイドの伊藤を中心にサイドから縦に速い攻撃を繰り出した柏だったが、鳥栖のサイドの守備は堅く、数的に優位な形を作らせることもなかった。鳥栖は柏ペースの時間帯を集中して守り、徐々に自分たちのペースに持ち込めたことは評価できる。やりたいことができない時間帯は上位の相手の時はより多くなる。ただ、そこで味方をしっかりカバーをしっかりできるようになったのは大きな成長。今節の豊田もそう、豊田はサガン鳥栖の絶対的エースだ。ただ、今日はゴールできなかった。エースが点を取れなくても、ターゲットとしてゴールに絡み、前線での守備など様々な形でチームの勝利に貢献した。今年もサガン鳥栖はリーグタイトルに届かなかったが、来シーズンのタイトルを見据えるとどんなメンバーでも同じようなサッカーができる必要があり、尚且つ、そのサッカー質を上げ、できることも増やしていかなければならない。だからこそ、今節の勝利は今後のサガン鳥栖に大きく繋がると感じた。残りのリーグ戦2試合も今後を見据えた闘いに期待したい。だが、とりあえず今日の勝利を素直に喜びたい。

柏レイソル戦 プレビュー

明日、午後2時より日立柏サッカー場サガン鳥栖vs柏レイソルの試合が行われる。リーグ戦は10月1日以来、3週間振り。その間に日本代表はW杯アジア最終予選を2試合戦い、ルヴァン杯では浦和レッズガンバ大阪との接戦を制し、6年ぶりの国内タイトルを獲得した。その一方で、サガン鳥栖柏レイソルは代表に召集された選手もいなければルヴァン杯も敗退しており、両チームのサポーターにとってはサッカー不足になる期間だっただろう。ただ、リーグ戦も終盤となり、残り3試合全てを勝ち抜くために選手達は身も心もしっかりとリカバリーすることができ、チームとしても明日の試合に向けて良い準備ができる期間にもなったはず。サガン鳥栖残留が決まり残り試合のモチベーション維持が難しいようにも思えるが、今年1年間で構築したサガン鳥栖らしいサッカーで勝利し、来シーズンを見据えた戦いをしてくれることを期待する。柏レイソルは現時点で2ndステージ優勝の可能性がわずかだが残っており、その為には全勝が必須。お互いに状況は違えど良い試合になるはずだ。

まず、サガン鳥栖のメンバーを予想する。ゴールキーパーは林、最終ラインは右から藤田、ミンヒョク、谷口、吉田、中盤はアンカーにヨシキ、右にミヌ、左に福田、トップ下に鎌田、前線は豊田と富山の組み合わせを予想。怪我や出場停止がない限り、前線の2人以外はほぼ固定で戦うようになり、もし変えてくるなら富山の位置にカビルも予想できるが、レイソルの速い攻めに対し、中でポイント、時間を作れる選手なら富山。サイドの裏を突きたいならカビルのチョイスが考えられるだろう。また、前節ベガルタ仙台戦でJリーグデビューを果たしたユース所属の石川啓人の途中出場も期待できる。仙台戦では中盤の左サイドに入り、ドリブルやシュートなど見せ場を作った。主力を除くと、意外にもサイドをこなせる選手は少なく、今後のマッシモの起用次第でもあるが、間違いなくこれからサガン鳥栖の中心的選手になっていくだろう。柏レイソルのメンバーはゴールキーパーに中村、最終ラインは右から茨田、鎌田、中谷、輪湖、中盤は秋野がアンカー、中川と小林がその前に入る、前線は右に伊藤、左にクリスティアーノ、真ん中にディエゴ・オリヴェイラを予想。センターバックの中山がUー19日本代表の影響で欠場するが、代わりに出場をする見込みの鎌田を含め、ベンチメンバーも能力の高い選手が揃っており、特に前線の組み合わせや攻撃パターンの多さはサガン鳥栖が最も警戒すべきポイントで、先週の土曜日にアビスパ福岡とトレーニングマッチを行い、主力組は無失点ではあったが、得点は奪えず、今節は守備だけではなく、いかに攻撃の回数や質を高められるかが鍵になる。柏の前線の両サイドは特に攻撃の質が高く、少ない人数でも攻撃を完結させる力がある。ただ、裏を返せば、そのポジションで主導権を握ることができれば、柏の攻撃は間違いなく鈍り、それと同時に中盤の選手が豊富な運動量で攻守にサポートを続けることができれば、サガン鳥栖はペースを握ることができるだろう。これまで、浦和、広島、仙台などシステムは違えど、ピッチを広く使う相手に手を焼いてきただけに、今回の試合は進化を試す良い機会になるかもしれない。フィッカデンティの契約更新のニュースも流れてきて、ただの1/34試合ではなく来シーズンに繋げる試合にしてほしい。