u393のサガン鳥栖な毎日

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柏レイソル戦 戦評

2月25日、ベストアメニティスタジアムサガン鳥栖vs柏レイソルJ1リーグ戦第1節が行われた。結果は1-3で柏レイソルの勝利。鳥栖は前半に先制しながらも後半に3失点、昨シーズンで守備戦術を浸透させたように思えたが開幕戦から3失点は不安なスタートとしか言えない。試合を振り返る。

両チームのスターティングメンバー。鳥栖ゴールキーパーに権田、最終ラインは右から藤田、ミンヒョク、谷口、吉田、中盤はヨシキと原川のダブルボランチ、右に小野、左に鎌田、前線は豊田と富山の組み合わせとなった。中盤は試合の流れとともに常に流動的に動いていたように思うが、中盤の選手だけでなく他の選手たちも昨シーズンとは違う戦い方に戸惑いを感じているように見える場面もあった。単純に連携が深まっていない部分もあり、試合を重ねる事で改善されるような場面も多くあった為、今後に期待したい。ただ、新たなシステム、新たなメンバーの中で持ち味を100%発揮できていたとはいえないが新加入の原川、小野の両選手はよくやれていたと感じた。原川のキックの質や攻撃センスは昨シーズンにはない攻撃に繋がっていたし、小野は最前線のポジションで起用されると思っていたがサイドで起用され技術の高さに加え気持ちのこもった熱いプレーを見せてくれた。お互いに守備のやり方やチームとしての決まり事をしっかり覚えて、勝手に身体が反応するようになれば絶対に良くなるし周りにも好影響を与えてくれるはず。

柏レイソルゴールキーパーに中村、最終ラインは右から鎌田、中谷、中山、輪湖、中盤は大谷と小林のダブルボランチ、右に伊藤、左にクリスティアーノ、前線はディエゴ・オリヴェイラとハモン・ロペスとなった。前線4人の攻撃力はJ1でもトップクラスで、個の力でゴールを奪えるだけでなく、これからコンビネーションが深まれば使われるだけでなく周りも使える厄介な攻撃陣になりそうだ。中谷、中山の両センターバックは若手ながらに守備の要のポジションでレギュラーを掴んでいる数少ない選手なだけに鳥栖の豊田・富山に対しても互角以上のパフォーマンスを見せた。

ゴールシーンを振り返ると前半に鳥栖がゴール前で左でFKを獲得。原川が蹴ったボールは綺麗な放物線を描いてゴールに吸い込まれた。控えスタートだった小川を含め、精度の高いボールを蹴れる選手が増えた事はシンプルにチャンスの回数が増えると言ってもいいだろう。昨シーズンはキッカーが固定されず、富山が任されたほどで、今日の原川のキックを見るとコーナーでも惜しいシーンがあり、鳥栖の新たな武器として十分な能力と言えるだろう。後半、柏は2点をともにPKでゲット。ファールのシーンは様々な考え方がある為、ここでは書かないがPKだけで逆転されたことは手ごたえのある試合ができていた鳥栖からすると悪くないのに負けているという難しい心理状態になり、その後はミスを恐れ積極性を欠くプレーが増え、完全に流れを渡した。同点にされた1点目のPKも後半開始直後と時間帯が悪く、試合をマネジメントする上でバランスを崩す要因ともなった。そして、流れを取り返せないまま、左サイドからのクロスをディフェンスの間に入った武富にヘッドで決められ3失点目。おそらく、この失点は普通であれば防げたと思うし、防ぐべき失点だったが、浮き足立ったチームには仕方ない失点となってしまった。

1-3というスコアほど実力差は感じなかったし少し不運とも言える失点もあったが、このスコアになったことにはなにか原因があるし素直に今の実力と認めたい。あと、3失点目をくらった後に気になったことがある。全く次の1点を取ろうという気持ちが見えなかったことだ。柏の前線の選手が怖いのは分かるが、少しオーバー気味にも前線に出ていってもいいと思う時間帯で最終ラインでパスを回すシーンも見られた。昨シーズンに引き続きサガン鳥栖に残留してくれた選手も新加入の選手もこれまでのサガン鳥栖20年の歴史の中でも一番と言ってもいい選手たちが集まってくれたと思うが、タイトルを目指し何かを変え試行錯誤する中でチームが良い方向ではなく、90分間諦めない気持ちを見せるサガン鳥栖らしさを失ってしまうようなことはあってほしくない。それならタイトルなど目指さないほうがましだ。まだ1試合目だがシーズン34試合なんてあっという間、少し休んで考える時間なんてない。次のアウェイ川崎フロンターレ戦も待ってはくれない。大きく変える事はできないし何もかも変える必要はないと思うが、サガン鳥栖らしさという初心を思い出し、次こそは勝利を掴みとりたい。