u393のサガン鳥栖な毎日

サガン鳥栖サポーター。サガン鳥栖、Jリーグ、サッカー。色んなことぼちぼちと綴ります。

レフェリングの質

サッカーの試合で両チームの選手以外にピッチに立てる唯一の存在、レフェリー。選手は基本的に自分のポジションにボールがある時に最もエネルギーを使う。一方の審判は90分間絶え間なくボールがあるエリアの近くに位置し、最適なポジションを取る必要がある。走り続けなければならないが故にピッチの選手より長い距離を走ることもある。Jリーグでは近年、トラッキングシステムが導入され、試合に出場した選手の走行距離とスプリング回数がデータとして分かる。ただ、このトラッキングシステムのデータを見る上で、必ずしも長い距離を走った選手=良い選手ではないのことを頭に入れておく必要がある。だが、レフェリーが対象になるとそれは違ってくると思う。サッカーの試合はダイナミックな展開も多く、離れた位置ではボール保持者、また対峙する守備者の細かい動きなどを見ることが難しい場合がある。スタジアムで観戦中に離れた位置でのプレーが見えづらく、何故ファールになったのか分からない、何故プレーが止まったのか分からない、という経験をした人も多いだろう。私達はピッチよりも高い位置で試合を見ていて、これだけ見えづらく感じる場面があるのなら、当然、レフェリーはボールに近く、尚且つ見えやすい位置取りをしなければ正確なレフェリングはできないということだ。先日のサガン鳥栖vsサンフレッチェ広島の試合では不可解なファール、イエローカードオフサイドの判定など、疑問が残るレフェリングが多かった。コーナーキックゴールラインを全く割っていないのにラインを割ったと判断されチャンスが潰された場面では鳥栖がコーナーを蹴った時点でラインズマンが位置を上げすぎ、ボールの軌道を見ただけの憶測でゴールキックの判定。吉田が茶島に対し正当なタックルから身体を入れボールを奪った場面でもファールならまだ分かるが、イエローカードが提示された。ちなみにこの時レフェリーは吉田及び茶島の進行方向とは逆の位置におり、非常に見にくい状態にあった。絶対に許されない危険なプレーであれば、見えづらいとしても選手の安全を確保するために通常よりオーバーなジャッジをしても良いとは思うが、先ほど上げたどちらの場面も選手を最も見やすい位置取りができず、その結果、あのような判定をせざるをえないことになった。レフェリングのせいで負けたとは言えないが、レフェリングの不明確さが鳥栖、広島の両選手の判断を左右したとは言えるかもしれない。今回の試合はお互いに良さが出た非常に良い試合だった。もし、違ったレフェリングがあれば、もっと素晴らしい試合になってたかもしれない。サガン鳥栖の試合だけでなく、Jリーグ全体での正確なレフェリングはJリーグが良いリーグになる上でもJリーグから世界で闘える選手を育てる上でも欠かせないことであることは言うまでも無い。

サンフレッチェ広島戦 戦評

本日、午後7時よりベストアメニティスタジアムサガン鳥栖vsサンフレッチェ広島の試合が行われた。結果は2-3でサンフレッチェ広島の勝利。サガン鳥栖は連敗を喫し2ndステージ優勝戦線から後退、サンフレッチェ広島としては今節の勝利で優勝戦線に踏みとどまった。リーグ戦も終盤となり、結果だけを見てもお互いの気持ちがぶつかりあった試合であることは想像がつくだろう。サガン鳥栖のメンバーはゴールキーパーが林、最終ラインは右から藤田、ミンヒョク、谷口、吉田、中盤はアンカーがヨシキ、右にミヌ、左に福田、トップ下に鎌田、前線は豊田とカビル。サンフレッチェ広島のメンバーはゴールキーパーに林、最終ラインは右から塩谷、千葉、水本、中盤は青山と丸谷のダブルボランチ、右ワイドにミキッチ、左ワイドに柏、2シャドーは柴崎と茶島、1トップにはウタカ。ここで両チームの得点シーンを振り返る。まずは広島から。広島は前半からバイタルエリアに多くの選手が顔を出し、鳥栖ゴールを脅かしたが先制点はその広島の形とは全く異なるものだった。左サイドからハーフウェーライン付近で塩谷がパスを受ける。塩谷はそのままゴールに視線を向け、右足を振り抜き、無回転のシュートは林の手をかすめゴールに突き刺さった。間違いなく今節のベストゴールに選ばれるといっても過言ではないだろう。2点目は後半に生まれる。鳥栖の時間帯だったが、最終ラインから千葉が茶島に楔のパスを入れ、そのパスを茶島がフリックする。ウタカが反応し、裏に抜け出し林との1対1を冷静に沈めた。その数分後、茶島がバイタルエリアで塩谷からパスを受けペナルティエリアに侵入。深い切り返しで守備を振り切り、冷静に左足でネットを揺らした。サガン鳥栖の得点シーンは0-3の状況から生まれる。右コーナーから富山のキックを谷口が足で合わせた。その後、鳥栖の攻めが続き、ミンヒョクがバイタルエリアのミヌへ楔のパス。ミヌはカットインし左足でグラウンダーのシュートをゴールへ流し込んだ。サガン鳥栖は0-3から2-3の状況まで追い上げ、同点のチャンスも作っただけに何としてでも勝ち点を獲得したかった。サンフレッチェ広島は中盤の青山、丸谷を中心にピッチを広く使い、鳥栖は中々、的を絞って守備ができなかった。サイドの攻防ではミヌ、福田がサイドの守備に気を使い鳥栖が広島に劣った印象は全くなかったが、その分、両選手の中の位置が少し手薄になる場面があり、2シャドーに対し上手くマークにつけなかった。そこで茶島に大きな仕事をさせてしまった。正直、敵ながら落ち着いてボールタッチや鳥栖の嫌がるエリアに入ってきたり、今日のMVPといえる。もう少し試合中に茶島への適正なケアをできていれば2点目、3点目は防げたかもしれない。ただ、茶島は確かに良かったが1人で取った点ではなく、様々なパターンの攻撃の中の1つであって、場面場面で最善の選択をして攻撃を繰り出せる、これがサンフレッチェ広島の強さだと感じることができた。サガン鳥栖は前節の浦和戦よりも格段に攻撃も守備も良かったが、まずはスーパーゴールを決められたことが少しアンラッキーだった。また、広島の2点目やその得点の前の後半開始直後の谷口のヘディングシュート、その他のジャッジでも少し公平性を欠くような場面が鳥栖側からすると見受けられ、フィッカデンティも審判のジャッジへの抗議で退席処分となった。審判のジャッジで負けたとは言わないが審判が目立つような試合はJリーグのチームを応援するサポーターとしてなくしてほしい。今節で豊田とカビルが警告を受け、次節の出場停止にもなり、冷静に試合を行なえなかった選手たちにも改善すべきことはあると思うが、その分選手たちは命がけで試合を行なっていて、自分の100%のプレーを正しくジャッジされなかったことへの不満は理解もできる。結果を受けて、広島が鳥栖より強かったことは確か。審判が目立たない試合であっても鳥栖は負けていたかもしれない。ただ、今日の試合はお互いに良さが出て非常に良い試合で、鳥栖サポーターとして敗戦の悔しさもあったが広島と良い試合ができて嬉しい気分もあった。今シーズン、広島と試合をする機会はないが、また今日のような試合をしてほしいし、リーグ戦残り5試合、全力で最後まで諦めないサガン鳥栖らしい試合を見せてほしい。

サンフレッチェ広島戦 プレビュー

明日、午後7時からベストアメニティスタジアムサガン鳥栖vsサンフレッチェ広島の試合が行われる。サガン鳥栖は前節、浦和レッズとの直接対決に敗れ、順位は6位まで落ちた。ただ、首位の川崎フロンターレとの勝ち点差は4。残り6試合ということを考えるとまだまだ可能性はあり、その可能性を持続させるためにも今節の広島戦はなんとしてでも勝利したい。サンフレッチェ広島は前節、ホームで大宮に敗れ、順位は8位。首位との勝ち点差は8と優勝は厳しい状況となっている。1stステージでの戦いは0-3と広島の完勝。鳥栖は同じシステムの浦和にも敗戦し良いイメージはあまりないが自信を持って広島に挑みたい。鳥栖は前節敗戦はしたがメンバー変更の必要はあまりないと感じゴールキーパーに林、最終ラインは右から藤田、ミンヒョク、谷口、吉田、中盤はアンカーにヨシキ、右にミヌ、左に福田、トップ下に鎌田、前線は豊田とカビルを予想する。守備に変更点はなくても攻撃に関しては変更の可能性もある。浦和戦は途中出場の早坂、富山で流れが変わり、スタメンでの起用も考えられる。個人的な意見ではあるが浦和戦での鎌田の動きは全く見せ場がなかった。だからこそ、広島戦では攻撃の中心で相手に怖さを見せてほしい。一方、サンフレッチェ広島ゴールキーパーに林、最終ラインは右から塩谷、千葉、水本、中盤は青山と丸谷のボランチ、右ワイドにミキッチ、左ワイドに柏、2シャドーは茶島と柴崎、最前線はウタカ。シーズン途中に浅野が海外へ移籍しチームとしては痛いが控えには佐藤寿人森崎浩司がおり、タレントは揃っている印象。鳥栖としては3-6-1のシステムを敷いているチームとの戦いが続く。浦和とはサッカーのやり方は違うが、違う分、広島のストロングポイントをよく頭に入れて試合に入らないと今節も相手のペースで時間が流れていくだろう。ただ、基本的に大切なことは浦和戦での判断のミスなど同じことを繰り返してしまうことは避けたい。アバウトに言うと浦和戦で一番サガン鳥栖がいつもと違った点はルーズボールやセカンドボールを自分たちのボールにできる回数が圧倒的に少なかった。その原因とも言えるのはマイボールを簡単に前に蹴ってしまったり、奪ってから繋げる場面が少なかったこと。鳥栖としては広島とシステムでのミスマッチが起こり、浦和戦同様にボールを持たれる、また取りどころを絞りにくく、守備で体力を使う時間帯が増えることが考えられる。そこで奪ってからの攻守の切り替えを早くして、より縦に速く3バックのサイドのスペースを上手く使う攻撃に持っていきたい。どうしても広島のワイドのミキッチや柏が高い位置を取るため、藤田と吉田はなかなか高い位置を取れないと思うが浦和戦でも両サイドバックが前線に顔を出した時の攻撃は可能性を感じる場面も多く、今節も福田とミヌも含め、サイドの攻防で主導権を握れたチームが試合を上手く進めることができそうだ。また、サガン鳥栖としては前線にエル・カビルという新たな選手が加わり、リーグ戦で結果こそ出ていないが徐々にチームの形に合わせて自分の良さを発揮できる場面が増えてきている。万が一、チームとして攻撃の形が作れなくても個人の力でボールを運びフィニッシュまで行ける選手が前線にいることはとても心強い。守備に関しては前節も90分間を通してみると、粘り強く守れていたが優勝を目指す上で一瞬の隙も許されないということを再確認できたはず。0-2で負けたという結果を考え、まずは守備からペースを掴みたい。リーグ戦終盤どのチームにとってもすべての試合が大切になるが、サガン鳥栖にとって今節は優勝争いということを考えなくてもすごく意味のある大切な試合になるだろう。負けという結果に悲観的になりすぎず、負けを次に繋げられるチームになれれば、また一歩、組織として成長した集団になれるはず。良いゲームになることを期待する。

ミスターサガン 高橋義希

サガン鳥栖のサポーターに「ミスターサガンは?」という質問を投げかけると、その多くは同じ答えが返ってくるだろう。サガン鳥栖はJ1リーグ5年目のシーズンを送っている。シーズン前の予想では毎年降格候補や下位の順位を予想され、今シーズンも1stステージこそ中々勝てない時期が続いたが2ndステージの好調さを見ると今シーズンの残留はもちろん、来シーズンに多くの期待を持っているサポーターもいるはず。こんなサガン鳥栖にはJ2の苦しかった時代からチームを支え続けてくれている選手がいる。今シーズン、フィッカデンティのサッカーの中で最も重要といえるアンカーのポジションを務めている高橋義希だ。サガン鳥栖がJ1に昇格しサポーターは当然増え、J1にいるサガン鳥栖しか知らないサポーターも多くなった。もしかすると、「ミスターサガンは?」という問いに豊田や池田、ミヌの名前を挙げる人もいるだろう。だが、J2時代からサガン鳥栖を応援しているサポーターは間違いなく「高橋義希」の名前を挙げるはず。ヨシキはサガン鳥栖に2004年に入団。自分自身2005年からサガン鳥栖を応援しているが試合を見るようになった時、すでにピッチで躍動するヨシキの姿があった。2010年と2011年はベガルタ仙台で過ごしたが、2012年にサガン鳥栖に復帰すると、今シーズンはサガン鳥栖での11年目のシーズンとなる。プロサッカー選手が1つのチームに長く在籍し続けることは簡単ではない。チームが好調でも不調でもチームに欠かせない存在であり続け、カテゴリーが上がりチーム力が上がれば自分自身の成長もしなければならない。監督が代わり戦術が変われば、それに対応する必要もある。また、選手としての能力も大切だがサポーターに愛されることが最も重要だ。ヨシキは今挙げたどの項目にも当てはまり、選手としても人間としてもサガン鳥栖には欠かせない存在になった。今シーズンはボランチの層があまり厚くなく、そこでヨシキにかかる期待はとても大きかった。フィッカデンティのサッカーは日本ではとても特殊でヨシキが努めるアンカーのポジションは好守でチームを支える最重要な場所。そこにヨシキ以外の選手も起用されたがマッチする選手は誰もおらず、それと同時に今もヨシキのポジションで代わりの選手はいない。1stステージこそ、負けが多くヨシキへアンカーの適正をポジションを疑う声も多くあったが、戦術が浸透するにつれて、その評価は真逆のものとなる。守備では両サイドのミヌ、福田と連携し相手のパスコースを切り、危険察知能力も抜群。攻撃では長い距離を走り前線まで飛び出していける、それは試合終了間際でも変わらない。ヨシキはトラッキングシステムのデータでは常に上位になり、ヨシキの活躍なくしてサガン鳥栖の好調はありえないとも言っていいだろう。今シーズンの活躍だと年齢がもう少し若かったら日本代表に選ばれてもおかしくない。サガン鳥栖がこれから先のシーズンも2ndステージのようなサッカーを続けていく為にはヨシキの活躍は勿論、ヨシキに代わる若手、ミスターサガンを育てていくことも大事になる。チームを支え続けサポーターに愛される選手を育てることは難しい。でも、サガン鳥栖は「高橋義希」という素晴らしい選手を育てたサポーターがいることを忘れてはならない。今シーズンは鎌田、福田と若手もチームの中で大きな役割を任され、選手の成長にも繋がっている。また、来シーズンから石川、田川もトップチームに昇格するが、チームの主力の年齢も上がっており、若手が今後チームの成長のカギを握ることは間違いない。若手はヨシキを含め素晴らしい選手たちの背中を見て、サガン鳥栖の中心選手に成長していってほしいし、自分自身もその成長の過程を見るのが非常に楽しみだ。

浦和レッズ戦 戦評

昨日、午後7時より埼玉スタジアム2002サガン鳥栖vs浦和レッズの試合が行われた。2ndステージで上位につける両者の一戦、鳥栖にとっては優勝戦線に留まるために2ndステージの大一番といってもおかしくない試合だったが、結果は0-2で浦和レッズの勝利。2ndステージ優勝のタイトルに向けて、浦和は一歩前進、鳥栖は一歩後退。内容は簡単にいうと、浦和が試合の中で一人一人が仕事をしっかりとこなし、鳥栖のストロングポイントを上手く消した形だが、少し詳しく振り返る。まずはメンバーから、サガン鳥栖ゴールキーパーに林、最終ラインは右から藤田、ミンヒョク、谷口、吉田、中盤はアンカーにヨシキ、右にミヌ、左に福田、トップ下に鎌田、前線の2枚は豊田とカビル。浦和レッズゴールキーパーに西川、最終ラインは右から森脇、那須、槙野、中盤は阿部と柏木のダブルボランチ、右に関根、左に宇賀神、シャドーには武藤と高木、最前線はズラタン。前半から試合は浦和ペースで進む。だが、鳥栖も相手に合わせることなく焦らず、局面では集中して守備ができていた。だが、前半の終了間際に試合が動く。浦和の右サイド関根が中に入りながらズラタンへパス。関根はそのまま中に入りながらリターンを受ける動きをするがズラタンの選択は関根ではなく中にポジションを取りペナルティアーク付近にいた逆サイドの宇賀神。宇賀神はダイレクトでシュート。そのミドルシュートは弧を描きながら左ゴールポストに当たりゴールへ吸い込まれた。関根、ズラタン、宇賀神と3人が絡んだゴールだが、2シャドーの武藤と高木はペナルティエリア内にポジションを取り、ディフェンスを引き付け、関根、宇賀神へプレーエリアを作った。意図的ではなかったとしても前線の攻撃のパターンの多さは褒めるしかない。この失点の3分後、ハーフウェーライン付近まで阿部がボールを運び、中にポジションを取っていた関根へ楔を入れる。関根はカットインしながら前に走り込んで武藤へパスを送り、武藤は冷静右足を振り抜いた。この失点のスイッチとなった阿部から関根への楔のパスだが、ただ単に入ったわけではない。関根と同じ位置まで森脇が上がっており、ディフェンスとしては森脇へパスが通ることも頭に入れつつ守備をする必要があった。その為、関根にわずかなスペースが生まれ、そこを上手く使われた。また、関根へ後ろからプレッシャーをかけるため谷口が一歩前へ動いたことに伴い、最終ラインにギャップとスペースができ、関根と武藤はその空間を見逃さなかった。この2失点は完璧に崩された失点だった。サガン鳥栖は2ndステージは好調を維持しているが、当然失点する場面もある。ただ、今回のように完璧に崩された場面は多くない。ある程度フィッカデンティのサッカーが浸透し守備に関しては自信をつけてきていた今、こんなにも簡単に崩されてしまった現状はしっかりとチームで受け止めなければならない。鳥栖は前半から中から外、外から中と的を絞らせない浦和の攻撃に手を焼き、2シャドーと両ワイドが流動的に動いてボールを回すことに苦戦していた。どんなに崩されても失点したかしてないかはとても重要で、最後の局面で集中力し守り切ればいいわけで、それはサガン鳥栖の持ち味とも言える。今回は鳥栖の最後の局面での守備の判断より浦和の攻撃の判断が上をいっていた。攻撃の最後の精度やバリエーションは浦和を見習う部分も多く、敵ながら攻撃の完成度には拍手を送るしかなかった。この試合、結果こそ2点差がついてしまったがサガン鳥栖もチャンスがなかったわけではなく、失点シーン以外はしっかり体を張った守備ができていた。問題は自分たちのいつもの試合中の良いペースが良い守備をきっかけにしてスイッチを入れられない時だ。鳥栖は良い守備でボールを奪ったり、ルーズボールをマイボールにしたり、そういう場面から縦に速い攻撃が持ち味。今回は、まず中盤システム同士のミスマッチが起きルーズボールが拾える回数自体が他の試合に比べて少なかった。また、浦和の攻撃が鳥栖の守備で完結しなかった場合でも、すぐにボールへプレッシャーをかけられ、ボールを繋げない場面が目立ち、マイボールになってもゴールキーパーの林までボールを戻すことが多かった。鳥栖は後半に入り、最終ラインを3バック気味に、ミヌをトップ下、福田を右サイドとシステムの変更を図ったが、らしさは見せられず。終盤に途中出場の早坂、富山が絡んでシュートまで行く場面は増えたが最後の精度は低く、後半唯一の決定機と言ってもいい谷口のダイビングヘッドは西川のセーブにあった。鳥栖サポーターとして、この一試合だけではなく、これまでの2ndステージでの戦いを含めトータル的に判断すると、今節の鳥栖のサッカーが悪いとは思わなかった。ただ、鳥栖がもうワンランク上のチームになり、勝っていくためには今以上にチーム全体で高いレベルのサッカーを目指すことが必要。すぐにチームが変われることはないが、今節での課題は次節で改善できるはず。そして、次の相手は奇しくも浦和と同じシステムのサンフレッチェ広島。いい準備を行い、勝利を掴みとり、何としてでも優勝戦線に食らいつきたい。

浦和レッズ戦 プレビュー

明日、午後7時より埼玉スタジアム2002でサガン鳥栖vs浦和レッズの試合が行われる。ルヴァン杯や天皇杯、国際試合ではW杯アジア最終予選があり、その影響で2週間という期間が空いてのリーグ戦。サガン鳥栖は2ndステージ3位、浦和レッズは首位川崎と並び2位、その勝ち点差はわずかに1。リーグ戦は残り7試合となり、この試合の結果が意味するものは凄く大きい。サガン鳥栖は残りの対戦で首位川崎との試合は残されていない為、この試合で敗戦してしまうと上位のチームと勝ち点差を縮めることが厳しくなる。その為、チーム全体で一丸となりアウェイの地で勝利を掴み、順位を上げていきたい。サガン鳥栖浦和レッズ国際Aマッチに選手を派遣していたが、どの選手もチームの練習には参加しており、コンディション面で極度の疲労等がない限りは2週間前のリーグ戦通り先発としてピッチに立つだろう。サガン鳥栖のメンバーはゴールキーパーに林、最終ラインは右から藤田、ミンヒョク、谷口、吉田、中盤はアンカーにヨシキ、右にミヌ、左に福田、トップ下に鎌田、前線は豊田とカビルの2トップを予想する。ただ、ミヌは3日に行われた天皇杯FC琉球戦で前半に相手と接触し負傷交代。自分の足でピッチを後にし、天皇杯ということもあり軽症だが無理はさせないための交代と思っていたが、試合後の検査で前頭骨にヒビが入っていることが見つかった。ミヌは試合出場に意欲を見せており、フェイスガードを付けてでも、この大事な一戦には出場してくれると思っているがくれぐれも無理はしてほしくない。あと1つ、豊田の相棒のポジションも誰が入るか分からない。2ndステージで好調を維持しているがその多くは豊田と早坂の組み合わせ。前節のアルビレックス新潟戦は豊田とカビル。天皇杯FC琉球戦は池田とカビル。どちらもカビルが先発しており、新潟戦では惜しいシーンを作り、FC琉球戦では1ゴール1アシストと結果を出し、コンディションは間違いなく上がっている。相手が浦和ということで鳥栖がボールを保持する時間は短くなることが予想され、相手の3バックのサイドのスペースを突き、速くパワーのある攻撃をするためにも期待を込めてカビルをチョイスしたい。浦和レッズのメンバーはゴールキーパーに西川、最終ラインは右から森脇、遠藤、槙野、中盤は阿部と柏木のダブルボランチ、右に関根、左に駒井、シャドーの位置に武藤と高木、トップに興梠を予想する。浦和は3-6-1のシステムで主力選手も控え選手もポリバレントにポジションをこなすことができる。浦和は1人1人の選手のレベルも高いが、1人ではなくチーム一丸で浦和レッズにやりたいサッカーをさせないことが大事だろう。浦和は中盤の人数が多く、鳥栖のシステムでは人数的にミスマッチが起こる。それに加え、2ndステージ磐田戦でも手を焼いたのだが、両サイド広く使われてしまうと3ボランチの運動量が増え、相手のサッカーに合わせてしまう展開になってしまう。鳥栖としてはボールを持たれることを我慢して、ボールへのプレッシャーをかけるポイントやボールを奪うポイントを統一し、攻めも守りも急がずに集中すればペースに持ち込めるだろう。浦和へは相性が悪くない印象があるがそれはベストアメニティスタジアムでの戦い。今回はアウェイでの戦い、自信を持っていつも通りのサッカーができれば試合終了のホイッスルとともにに歓喜の瞬間を迎えられるはず。お互いに絶対に負けられない戦い、良い試合になることを期待したい。

1ステージ制

今日、Jリーグについて重要なニュースが流れてきた。それは来シーズンよりJ1リーグ戦が2ステージ制から1ステージ制に戻ることが検討されているというものだ。2ステージ制は昨シーズンから導入されたが、2ステージ制に移行することが発表された時から多くの疑問があがっていた。2ステージ制自体にはメリットもデメリットもあるが、メリットで言えば今シーズンのサガン鳥栖のように1stステージで上手くいかなくても2ndステージでタイトルを狙えるという点。一方、デメリットとしてシーズン終了後にトーナメントを行い年間優勝のタイトルを決めるが、そのトーナメントの方式がJリーグを見ている人たちにとっても分かりにくい。また、トーナメントをシーズン後に行うことでリーグ戦の日程が前にずれ込み過密日程になるということも大きなデメリットだろう。英国の動画配信大手と10年間総額約2100億円の放映権契約を結び、大きな収入源が生まれたことも2ステージ制に戻ることに影響しているとされているが、今シーズンまでの2ステージ制で収入が増えたのだろうか。まだ決定事項ではないが来シーズンに1ステージ制に戻れば色んな疑問が残ったまま2ステージ制が終わることとなる。馴染のあるステージ方式に戻ることは多くの人が歓迎すると思うが、このJリーグの方向性の不明確さは不安が残る。Jリーグだけに限らず、日本代表もW杯アジア最終予選を戦っている真っ只中、メンバーは海外組が増えてきているが代表のベースはやはりJリーグにあると思う。ハリルホジッチの選手選考が圧倒的にJリーグよりも海外リーグという固定観念とも言えるようなチーム作りを行なっており、Jリーグで代表常連の選手があまりいないことで一般の方は日本代表の試合を見てJリーグを見ようという気分になることが最近は少なくなってきていると思う。Jリーグにも素晴らしい選手はたくさんいる。今、海外で活躍している選手もJリーグでの活躍があったからこそ今がある。チームや地域に丸投げするのではなく、Jリーグとしてもっと素晴らしい選手、素晴らしいチームを生み出す取り組みをしてほしい。Jリーグがもっと良いリーグになることで絶対に日本のサッカーは今以上に強くなると信じている。