u393のサガン鳥栖な毎日

サガン鳥栖サポーター。サガン鳥栖、Jリーグ、サッカー。色んなことぼちぼちと綴ります。

福岡戦 戦評

昨日、午後7時よりレベルファイブスタジアムサガン鳥栖vsアビスパ福岡の一戦が行われた。結果は3-2でサガン鳥栖の勝利。今シーズン最後の九州ダービーを勝利で飾りシーズンダブルを達成した。私も実際に現地で観戦をしたが、非常に緊迫したダービーらしい試合で両者の意地とプライドをかけた闘いは良くも悪くも両サポーターの記憶に鮮明に残ることだろう。

試合の内容を見てみると、結果は3-2。とても拮抗した点の取り合いという印象を受けるスコアではあるが試合全体でみるとサガン鳥栖がほぼ全ての面でアビスパを上回っていたといってもいいかもしれない。得点シーンを振り返ると、アビスパの一点目はサガン鳥栖の右サイドをアビスパの金森が仕掛け、深い位置からグラウンダーのクロス、クロスはペナルティエリアの中央に、ボールをクリアしようとした福田がスライディングするが足に当たったボールは美しい弧を描いて鳥栖のゴールに突き刺さった。オウンゴールではあるがアビスパは後半始めの良い時間帯で先制に成功した。だが、すぐに鳥栖も追いつく。バイタルエリアで右サイドからボールを受けた鎌田が左サイドへ展開、吉田がスピードに乗った状態でボールを運びクロス、パスを出し中に飛び込んでいた鎌田がヘッドで合わせ同点。湘南戦、名古屋戦と鎌田は決定的なチャンスを外していただけに最高の場面での同点弾に会場のムードは一気にサガン鳥栖の傾いた。自分たちのペースでボールを回せるようになってきた鳥栖はハーフウェーライン付近で藤田がアビスパの駒野からボールを奪取し、ミヌがドリブルでペナルティエリア付近まで運ぶ。ミヌからボール受けた藤田が相手ディフェンスの間を上手くカットイン、冷静にニアサイドへシュートを流し込んだ。藤田と駒野、ぶつかり合いは藤田のファールかと思われたが主審は認めず、プレーが一瞬止まったアビスパの隙をつく形で逆転弾を叩き込んだ。藤田はこのゴールが鳥栖に移籍してきて初ゴール。シーズン序盤は慣れないサッカーということもあり失点に絡む場面が目立ったが、ここにきて右サイドバック藤田の安定感は増し、球際に激しいハードな守備に加え積極的な攻撃参加で欠かせない存在へと変貌した。逆転しても鳥栖のペースは変わらない。足が止まってきたアビスパに対し、左サイドでミヌがフリーでボールを受ける。視線の先には途中出場の富山。低く早いピンポイントのクロスで勝負あり。富山がゴールへ蹴り込み3-1とした。富山は名古屋戦よりプレースキッカーを務め、貴重な役割を担ってきたが、その矢先に負傷。最近はスタメンの座を早坂に譲る形となっていた。だが、ダービーで巡ってきた出場機会、そしてチャンスを富山は逃すことはなかった。途中出場の選手がしっかりと役割を発揮できるようになるとこれからの試合に大きくプラスになる。また、フォワードというポジションに限って言えば、エル・カビルの加入が発表になり、岡田、池田、早坂を含めポジション争いは激化するだろう。ただ、それぞれに違う良さがある。それに加え、どの選手も腐らずに準備できる選手だと思っている。いい意味で競争し合ってチームの底上げに繋がることを期待したい。一気に3失点をしてしまったアビスパだが、終了間際にペナルティエリア内で為田が粘ってクロス、實藤が合わせ3-2。ここで試合終了。サガン鳥栖としては2失点はしてしまったものの試合を通して出足の早さ、球際での競り合い、90分間の走力、チームとしてのまとまり、どれをとってもアビスパに勝っていた。一方、アビスパはダービーということもあり、前半からかなり飛ばしている印象を受けたため、後半は運動量が確実に落ちると判断できた。次第にスペースが生まれ始めてカウンター主体のサッカーながらボールを取りにいく姿勢もあまり感じなかった。鳥栖のミス待ちで時間は経過、切ったカードも十分には機能しなかった。勝ったから言えることかもしれないが、アビスパとして3-2は結果としては悪くなかったと思うが、後半の試合の進め方をもう少し考えないと勝ち点1も拾えない試合になるかもしれない。最後まで走り切るのは当然だけど、チームとして方向性が一致してない無駄になる。サガン鳥栖は戦術が浸透したこともあるが、チームのまとまりがとても良くなった。今節もオウンゴールで相手に先制点を与えるという場面でいえば最悪の展開。でも、オウンゴールをした福田に対して谷口など周りがすぐに声掛けをしていたし、このオウンゴールが更に鳥栖の選手たちに勝利を目指す活力をもたらしたように見えた。九州ダービーという独特な雰囲気で勝利できたことは今のチームに一番の自信になるはず。

ここからは試合とは関係ありませんが、試合を現地で観戦して思った事を。まず一番に鳥栖のサポーターがとても多かったことに感動した。いくら福岡が近いとはいってもこんなに敵地で仲間がいることは選手もサポーターも最高のテンションの中で90分間を過ごせたと思うし、ゴール裏を見比べてもアビスパよりサガン鳥栖が明らかに多くて、過去のダービーの歴史を塗り替えれたと思う。別に試合に勝って調子を乗っているわけでも何でもなく、サガン鳥栖がこうやってJ1に残り続けていること、そして、そこには素晴らしいサポーターがたくさんいることは素直に誇れることだと感じた。今年は2010年以来の九州ダービーだったが、最高の年になった。また、いつかアビスパと試合ができる日まで最高のサポーターはそのままでいてほしいし、最高のチームであり続けたい。大袈裟ではありますが、2016.7.23はサガン鳥栖のサポーターでよかったと感じた日です。