u393のサガン鳥栖な毎日

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補強について考える

昨日の試合後よりサガン鳥栖のMF楠神順平ウェスタン・シドニー・ワンダラーズFCとの契約に合意したとオーストラリアの大手メディアが報じている。この移籍が成立すればシーズン途中での移籍は7人目となる。シーズン途中での移籍を受け、補強は必要なのか考えてみる。

まずはゴールキーパー。移籍者は0。今シーズンの試合出場は林のみだが、サブの赤星、若手の牲川、辻と数は揃っており、万が一怪我人もしくは出場停止が出た場合でも十分に対応ができる。このポジションについて補強は必要ないだろう。

次にディフェンス。移籍者は丹羽、坂井、菊地の3人。基本的に4バックは右から藤田、ミンヒョク、谷口、吉田と基本的に変更することはない。バックアップの面を考えるとセンターバックは坂井、菊地が移籍したが試合に絡むことは少なく、サブの小林、新加入の青木も最近、試合終盤で出場しており、複数人にアクシデントがない以外は問題ないと思われる。サイドバックは丹羽が移籍したがベンチに入る機会もほとんどなくダメージは少ない。主力の吉田は両サイドこなせる為、藤田が出場できない場合は吉田が右にスライドし三丸が左で回せる。両サイドが出場できない場合は福田やミヌなど本職ではない選手も最悪プレーできる。フィジカル的に大変なポジションでもあるのでもう一人くらいバックアップは欲しいが早急な補強は不要だろう。

ミッドフィルダーは中美、岡本、今回の移籍が成立すれば楠神が移籍。中盤も左サイドがソングンから福田に変更したくらいで基本的には固定。だが、それが問題でもある。主力の4人以外で中盤で出場した選手はソンドン、ソングン、楠神、早坂。早坂は前線もできる器用な選手だが中盤での出場は途中からで、その場合はシステムが3ボランチから2ボランチに変更になる。スタメンでソンドン、ソングンともにプレーはしているが効果的なプレーができているようには思えないし最近は出場の機会すら与えてもらえていない。楠神は鎌田のポジションで鎌田とは違う良さを見せる試合もあったが、指揮官へのアピールまでは至らず移籍の可能性が浮上。福田、ミヌのポジションはソングンが経験しているため現状ではバックアップだと思うが鎌田、ヨシキの位置に関しては適正といえるバックアップがいない。鎌田は独特のボールタッチとサッカーセンスがあり、代わりを見つけるのは容易ではないが、高い位置でキープができスタミナもあれば一定の代わりはできると思う。ヨシキの位置は今シーズン、他の選手が出場していない位置であり、フィッカデンティのサッカーの生命線といえるポジション。ヨシキに現時点でアクシデントがあると相当痛い。ボランチもこなせる青木が加入したが最終ラインでの起用でアンカーでの起用を考えているかは不明。青木をセンターバックに入れて、谷口を一列上げることもできなくはないが、フィッカデンティが4バックのメンツを簡単にいじるとは考えにくい。補強するなら、まずはピッチを縦横無尽に走り回る豊富な運動量が確実に必要になる。また、鎌田のポジションにも言えることだがフィッカデンティのサッカーは非常に特殊で能力の高い選手をそこにポンと入れただけで機能するものではない。つまり、フィッカデンティのサッカーを理解しているか、戦術理解の高い選手でなければシーズン途中からの加入でフィットするのは難しい。

最後にフォワード。移籍者は平だけ。数の2つのポジションに対して4人と申し分ない。また、豊田、富山、池田、岡田とそれぞれに違う良さを持っている。だが、現状、豊田の相棒は確立されてはいない。一番出場が多いのは富山だがゴール数はわずかに1。プレースキッカーとして新たな武器は見せつけることができたが1stステージでのチームの得点数を見ると豊田に頼らずに他の得点源も必要となる。最近は鎌田も得点できるようになってきたが豊田の相棒にもう少し怖さを見せられる選手がいれば相手としてはマークもしずらくなる。それと同時に鎌田、豊田へのマークも緩くなり相乗効果が生まれる。イタリアよりフォワードが加入するとの噂があったが、それ以降は全く噂はなく、Jリーグのどのチームからもシーズン途中での獲得は厳しいはず。

2ndステージも3試合を消化し、サガン鳥栖は2勝1分と状態は非常に良い。その為、絶対に必要な補強ポイントがあるとは思わないが、これだけのメンバーがシーズン途中で移籍してしまうとバックアップの薄さが否めない。また、何度も言うが、絶対にアクシデントはあると思う。特にこれからは夏場で気温も上がり、走りをベースとする鳥栖のサッカーは怪我やコンディション不良の選手が出る可能性が高い。その為にも補強は期待したいし、今シーズンだけでなく来シーズンの事も考えて強化部は動いてもいいのではないか。

近年は中国が巨額の資金で南米、欧州より大物選手を獲得しているが、そこまでの資金はサガン鳥栖にはないし、九州の佐賀という場所はお金を積めば選手が来てくれるわけでもないと思う。関東のチームで家族がいれば簡単には移籍できないと思うし、だから、神戸に移籍した藤田やFC東京に移籍した水沼を含めてもチームを去った選手がお金だけで移籍を決断しているわけではないことを念頭に置くことが大事。鳥栖は昔から他チームの戦力外選手や出場機会に恵まれない選手を主力に育ててきた。その中でJ1に上がって、ある程度実績のある選手も来てくれるようになった。だから、来てくれる選手は全力で応援する。サポーターは待つことしかできないから補強がないことをあまり悲観的にならずに見守りたい。